H28年11月定例会における反対討論

H28年11月定例会最終日の本会議における反対討論の原稿を掲載いたします。


そうせいの藤田信です。

議案第149号平成28年度秋田市一般会計補正予算(第4号)について、原案のとおり可決することに反対の立場から討論いたします。

本補正予算(案)には、「県・市連携文化施設に関する整備計画(案)」に基づき、地質調査、建物移転補償事前調査及び費用便益分析調査の業務委託費、並びに、設計者選定委員会開催運営等に要する経費、併せて、807万3,000円が計上されているほか、来年度に行う基本設計業務に関する債務負担行為として、5,759万5,000円が計上されているものであります。

県・市連携文化施設の整備は、これから50年、60年と、私たちの子どもの代、孫の代まで、市民生活や本市のまちづくりに大きな影響を与える事業であり、多くの市民の参画と理解を得ながら進めるべき事業であります。

より多くの声に耳を傾け、課題や問題点を洗い出し、あらゆる可能性を考慮しながら、市民に選択肢を示すべきであります。

しかし、一般市民を対象とした意見交換会は、本年8月11日に、県と合同で本市文化会館において開催した1回のみであり、極端に市民参加の機会が少ないと言わざるを得ません。

実際に、市民の間には疑問の声もあり、本議会だけではなく、県議会においても、いくつかの問題点が指摘されております。

まず、本市の文化施策についてであります。

平成13年に施行された文化芸術振興基本法第2条第6項には、基本理念として、「各地域の歴史、風土等を反映した特色ある文化芸術の発展が図られなければならない。」と規定されており、第4条には、地方公共団体の責務として、「その地域の特性に応じた施策を策定し,及び実施する責務を有する。」と規定されております。

また、劇場、音楽堂等の活性化に関する法律第7条では、地方公共団体の役割として、「その地域の特性に応じた施策を策定し、及び当該地方公共団体の区域内の劇場、音楽堂等を積極的に活用しつつ実施する役割を果たすよう努めるものとする。」と規定されております。

つまり、本市の責務として、本市の歴史、風土等の特性に応じた文化芸術施策を策定し、文化施設を積極的に活用しながら推進していく必要があります。

しかし、現在の整備計画(案)には、県・市連携文化施設をどのように活用して本市の特性に応じた文化芸術を推進していくのか、充分に議論された形跡がありません

もちろん、県も、県の責務として、この施設を活用して、本県の特性に応じた文化芸術を推進していく必要があることは言うまでもありません。

次に、財政負担についてであります。

先日の総務委員会で示されたとおり、旧県立美術館の利活用のための改修経費は、8億円と示されております。しかし、これはあくまでも経費を抑制する目標値であります。現時点で、事業の可否を判断する材料とはなり得ません。実現可能な、現実的な数値となるよう、これから精査していく必要があります。

また、文化会館の継続使用のためには、大規模改修に50億円の経費がかかるとされております。しかし、経費が過大に計上されていないか、どこまで改修すべきなのか、必要最低限の改修費はいくらなのか、精査しなければ、比較検討の材料にはなりません

そもそも、公共施設は、大規模改修をしながら使うのが当たり前であります。現在、策定中の秋田市公共施設等総合管理計画(案)においても、築40年目で大規模改修を行い、80年間使用するという長寿命化のイメージが示されております。

大規模改修に費用がかかるということは、まだ使える文化会館を取り壊す理由にはならないのではないでしょうか。

市の実質負担額を抑えることは、市の財政運営上とても重要なことであります。
しかし、費用を負担するのは、国・県・市であります。
そして、いずれも、その財源は、私たち市民が納めている税金であります。

私たち市民は、市だけではなく、国にも、県にも税金を納めているのです。
駐車場整備、文化会館解体、及び旧県立美術館利活用も含めた総事業費は234億円から239億円と見込まれており、実質負担額からの議論だけではなく、このような多額の税金の投入に見合った計画なのかどうかについても、慎重な議論が求められます。

次に、隣接の秋田和洋女子高等学校の敷地の活用についてです。

先日の、予算決算委員会の修正案提出理由でも、間接的に触れましたが、昨日の県議会予算特別委員会の総括審査でも議論されたように、当該土地には、抵当権が設定されております。そのような土地が、60年から80年という長い間使用する公共施設の敷地として適切なのでしょうか

どのような経緯で抵当権が設定されたのか、また、地権者の債務の状況はどうなのか、調査しておく必要があります。

また、抵当権が実行されないような確実な方法はあるのか、抵当権が実行されても、確実に使い続けられるのか、確実にそれまでと同じ金額で借りることができるのか、法律や契約上の課題を整理することが必要です。

そして、このような問題のあるケースでも、社会資本整備総合交付金の対象となるのか、公共施設等最適化事業債が承認されるのか、万が一の場合に、補助金適正化法上、問題にならないのか、など、国との充分な協議・確認が必要です。

本補正予算案を承認するということは、現在の整備計画(案)を認めることになります。

しかし、これまで述べたとおり、整備計画(案)には、まだ議論すべき点や確認・整理すべき課題が残されております。現時点で、GOサインを出せる状況にはありません

国のスケジュールに合わせて急いで走り出しても、道を間違えた、行き先が違っていた、では意味がないのです。

ここで一度立ち止まり、本市のまちづくりをどうするのか、そこに文化施設をどう位置付けるのか、文化施設を具体的にどのように活用して中心市街地のにぎわいを取り戻すのか、本市の特性に応じた文化をどのように振興していくのか、などなど、市民の声に耳を傾け、市民と共に考え、市民に選択肢を示しながら、整備計画(案)を練り直すべきであります。

以上の趣旨から、本補正予算案を原案のとおり可決することに、反対すべきである、と訴えるものであります。

ご賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。

(以上)

カテゴリー: 文化施設に係る修正案(H28年11月定例会), 本会議 パーマリンク