新サッカースタジアム整備に関する討論(平成30年2月定例会)

平成30年2月定例会において、新サッカースタジアム整備に関する討論を行いました。以下に、その内容を掲載いたします。

そうせいの藤田信です。

議案第20号 平成29年度秋田市一般会計補正予算(第10号)について、昨日の予算決算委員会に提出した修正案が否決されましたので、原案に賛成とし、建設的な立場から討論いたします。

本補正予算案に計上された八橋陸上競技場夜間照明等整備事業 9億8,997万2,000円は、新スタジアム完成までの間、八橋陸上競技場をJ2の試合に使用できるようにするため、八橋陸上競技場に夜間照明設備、大型映像装置、防音壁や選手用スタジアムロッカーを新設し、サッカーゴールの更新やトイレの洋式化などの改修を実施するものでありますが、スタジアムの新設を前提とした事業であることから、本事業の実施とスタジアムの新設は切り離すことのできない関係にあります。

スタジアムの新設については、新年度に設置しようとする「(仮称)新スタジアム整備構想策定協議会」において、規模や機能、建設場所、事業費、財源、事業主体等を検討することとしており、ブラウブリッツ秋田以外の陸上競技場の利用者や一般の県民・市民にとって、どのようなメリットがあるのか、本市のまちづくりにスタジアムをどう位置付け、県民、市民のためにどのように活用していくのか、といったことが充分に議論されていないことから、現時点で、スタジアムの新設を認めること、スタジアムの新設を前提として八橋陸上競技場に新たに大型映像装置等を設置する、という判断を下すのは拙速ではないか、多くの市民の理解を得るのは難しいのではないか、との思いがありました。

先日、飛行機を利用する機会があり、何気なく手に取って読んだJALグループの機内誌スカイワードに、日本航空株式会社の植木代表取締役の言葉が掲載されていました。

「自分が最善と思える準備をしたかどうかを常に自分に問いかけていました。夢に向かって強い意志を持ちながら、慎重に対応策を考え尽くし、120%自分が満足できる準備をします。」とのことでした。

これはJALグループ社員の行動指針であるJALフィロソフィの中の、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」に当てはまるそうです。

これまでの、スタジアム整備のあり方検討委員会では、様々な可能性を模索しながら、「スタジアムを核とした秋田の創生」という夢を描いてくださいました。

しかし、新スタジアムがありさえすれば、観客が増え、にぎわいが生まれ、地域が活性化するわけではありません。また、J2に昇格すれば、観客が増えて、経済効果が出てくると安易に考えるべきではありません。

勝負の世界は厳しく、次にいつJ2に昇格するチャンスが来るのか、J2に昇格してもそこに留まり続けることができるかどうかは分かりません。サッカークラブチームの経営状況がどうなるのかも分かりません。

よって、J2に昇格すれば希望が生まれるという考え方ではなく、J3のままでも、観客が増え、サッカーに頼らなくても、にぎわいが生まれ、地域が活性化するような構想・計画を示す必要があります。

新年度に設置しようとする「(仮称)新スタジアム整備構想策定協議会」において、秋田の創生という、決して楽ではない夢を実現するために、悲観的な立場に立って、慎重に考え尽くし、県民・市民の理解を得ながら、自信を持って実行できるものを練り上げていくべきではないでしょうか。

そのためには、整備構想策定協議会の一員として、本市のスタンスを明確にして協議に臨むことが求められます。先に行われた代表質問では、事業主体や費用負担、建設場所、機能、チームへの支援などに関する質問に対して、今後、協議会で議論されていく旨の答弁でしたが、事業主体や費用負担などの面で、本市が主導的な立場となることが充分に予想されます。

整備構想が固まってきた段階で、責任や費用負担の押し付け合いにならないように、事業主体や費用負担については、できるだけ早く枠組みを定め、協議会のメンバーが責任のある議論を行える環境を整えた上で、本市のまちづくりや住民福祉の向上の観点から、機能や建設場所、公共交通の活用など、本市が主体的に検討し、積極的に提案していくべきであります。

八橋陸上競技場の暫定使用は、「J3ブラウブリッツ秋田から、J2クラブライセンスの早期取得のために要望のあった八橋陸上競技場の暫定使用を、県の協力を得ながら実施するもの。」と説明があったとおり、J2クラブライセンスの早期取得のために実施されるものでありますが、新設を目指すスタジアムと同様に、暫定使用であっても、スタジアム整備のあり方検討委員会の報告書にある「スタジアムを核とした秋田創生」を実現する努力が求められます。

5つのコンセプトの中には、ハード面で難しいものもありますが、ソフト面で、八橋陸上競技場でも実現しうるものも多くあることから、県民・市民の知恵を結集して、住民福祉の向上を図るべきであります。

最後に、本事業の財源についてです。

本事業には、公共施設等整備基金繰入金を充てることになっております。

「秋田市公共施設等整備基金条例」の第6条では、基金の処分について、公共施設等の修繕等に要する経費に充てる場合、または公共施設等の統合及び更新を伴う整備に要する経費に充てる場合に限り、処分することができると規定されております。

また、この条例の制定に当たり、平成27年3月13日の予算決算委員会総務分科会では、当時の財政課長が、「公共施設の総合管理計画においても、維持管理ですとか修繕、更新にかかる中長期的な経費の見込みや充当可能な財源の見込みを記載することが望ましいとされておりますので、明確にそうした財源を確保していくという意味で、新たな基金を設けたいと考えています。」と答弁しております。

本事業は、サッカーゴールの更新やトイレの洋式化を除くと、費用の大部分が、これまでになかった夜間照明設備、大型映像装置、防音壁や選手用スタジアムロッカーを新たに設置するものであり、公共施設の維持管理、修繕、統合、更新に当たるとは断言しづらいことから、公共施設等整備基金の創設の趣旨にそぐわない可能性があります。今後、公共施設等整備基金を充当しようとする際には、より慎重に、その適否を検討することが求められます。

最後に一言申し上げます。

先日の予算決算委員会教育産業分科会において、今、この予算を計上しなければ、来年のJ2の開幕に間に合わないとの答弁がありました。

平成27年11月定例会における討論でも申し上げましたが、「時間がない」というのは、議案の内容が適切かどうかを判断する基準とはなりえない、ということを申し添えて、私の賛成討論を終わります。

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