学校も建設現場も働き方改革。秋田市役所の勤務間インターバルは・・・~笑っている人であふれますように~

今朝(H29.9.23)の日経新聞に、働き方改革に関する新聞記事が掲載されていました。

学校においては、学校教育の充実・改善のため、建設業においては、労働力の確保のため、働き方改革が議論されています。

〇中央教育審議会では

中央教育審議会学校における働き方改革特別部会では、登下校時の見守りや放課後のパトロール、給食費の徴収・管理などは、基本的に教員の業務外であり、地域や事務職員、保護者などで分担すべきとの案が示されました(当日の資料は、後日、部会のWEBサイトに掲載されるはずです)。

(参考)前回の部会で示された論点(PDFファイル

〇日本建設業連合会では

日本建設業連合会では、「働き方改革推進の基本方針(PDFファイル)」をまとめ、週休二日の推進、総労働時間の削減(時間外労働の自主規制)、生産性の向上、女性の登用などに会員企業あげて推進すべきとしています。

(参考)日建連における働き方改革の推進について(WEBサイト

〇働き方改革について

私は、働き方改革は、日本の社会のあり方を変えていくことだと思っています。

長時間労働により、働く人と家庭や地域が分断され、男性は仕事、女性は家事・子育て・PTAといったように、男女の固定的な役割分担意識が根強く残っています。

もちろん女性労働者も長時間労働を余儀なくされることが多く、電通の悲劇は記憶に新しいところです。

日本人は勤勉だとよく言われますが、それが豊かさや幸せに本当に結びついているのでしょうか。

〇労働生産性の国際比較

2016年12月19日に公益財団法人日本生産性本部が発表した「労働生産性の国際比較2016年版(PDFファイル)」によると、日本人の従業者1人当たりの労働生産性は74,315ドル(783万円)で、OECD加盟国35カ国中22位、また、就業1時間当たりの労働生産性は42.1ドル(4,439円)でOECD加盟35カ国中20位となっており、生産性の向上が課題となっています。

(参考)労働生産性の国際比較(公益財団法人日本生産性本部WEBサイト

生産性の向上には、IT技術や女性の活用、業務の効率化など様々ありますが、個々の働く時間を短くしながらも付加価値額を維持する取組も必要となってきます。

〇日本人の睡眠不足

長時間労働により、日本人は慢性的に睡眠不足となっている人が多いと言われます。

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、睡眠時間が6時間未満の割合は年々増加し、平成27年11月の調査結果では、39.5%に達しました。およそ5人に2人の割合です。

睡眠を十分に取れていない理由としては、男性は「仕事」、女性は「家事」、「育児」が多くなっています。

睡眠の質の状況については、6時間未満の方々は、「日中、眠気を感じた」、「睡眠時間が足りなかった」、「睡眠全体の質に満足できなかった」と感じる割合が男女ともに高くなっています。

(参考)厚生労働省平成27年「国民健康・栄養調査」の結果(PDFファイル)」

〇睡眠障害が及ぼす悪影響

睡眠不足は様々な悪影響を及ぼすと言われています。

日本睡眠医学協会は、日本人は睡眠不足や不眠症を軽視しているので「睡眠障害」が病気の大きな原因であることを理解する必要があるといいます。

睡眠障害による悪影響は次のとおりとのこと。脳機能の低下により、疲労感、食欲・意欲の低下、作業能率の低下、昼間の活動量の低下が起こるそうです。

★脳機能の低下 ・集中力低下、注意維持障害(事故の発生率アップ)、記憶・学習障害、感情抑制機能低下、認知・判断機能の低下、創造性・論理的思考力の低下、意欲の低下、自己評価の低下、精神性ストレスの蓄積
★循環器機能低下 ・血圧上昇、虚血性心疾患リスク増大
★免疫機能低下 ・ガン発症リスク増大、感染リスク増大、アレルギー性疾患の発症リスク増大
★脂質代謝機能異常 ・肥満
★アルツハイマー型認知症発症リスク増大
★脳血管認知症発症リスク増大(不眠患者・閉塞型無呼吸患者)

〇睡眠不足による経済損失

睡眠不足による悪影響により、どのようなデメリットがあるのか。

2016年11月に発表された「ランド研究所(米国)」の調査研究によると、睡眠不足による日本の経済的損失は、国民総生産(GDP)の2.92%にあたる1,380億ドル(約15兆円)に達しているとのこと。

睡眠不足が労働生産性向上の支障となっているようです。

〇「趣味・遊び」よりも「睡眠・休息」

博報堂生活研究所がまとめた「生活者にきいた“2017年 生活気分”PDFファイル)」によると、力を入れたいことは、「趣味・遊び」よりも「睡眠・休息」の割合が大きく、女性のやめたいこと第1位は「仕事・会社」となっています。ちなみに、男性のやめたいこと第1位は「たばこ」で、第2位が「仕事・会社」となっています。

仕事で疲弊している様子がうかがえます。

(参考)博報堂生活研究所生活者にきいた“2017年 生活気分”PDFファイル)」

 

これで、どうやって希望の持てる暮らしを実現できるのでしょうか。少子高齢社会の中で、働く世代が疲弊していては、将来が不安です。

長時間勤務を減らして、しっかりと休息をとり、家族や友人と過ごす時間や趣味を楽しみ、地域やPTAの活動に貢献し、仕事の生産性も上がる。

そんな社会になってほしいと思います。

〇勤務間インターバル

そのための第一歩として、各職場には、勤務間インターバル制を導入してほしいと思っています。

例えば、11時間の勤務間インターバルとするならば、朝8時半始業の職場では、前日は午後9時半までに退社しなければならない、というものです。

11時間のインターバルというと長そうに思えるかもしれませんが、睡眠時間を7時間とるとすれば、残りの4時間で、職場と自宅との往復、お風呂、夕食・朝食、身支度などをしなければならないので、家事や育児、趣味、家族と過ごす時間はそれほど取れません。

まずは、市役所から導入できないかということで、今年の2月定例会の代表質問で取り上げました。(平成27年9月定例会でも取り上げましたので2回目です。)

「勤務間インターバル制度については、例えば、担当の職員の大半が繁忙業務に従事した場合、翌日の勤務体制をどうするのかなど、市民サービスの提供・維持への影響が大きいことから、導入は難しいものと考えております。」

との市長答弁でしたが、せめて8時間(睡眠時間は6時間を切ると思いますが・・・)のインターバルならできるのではないかとの再質問には、

「市役所の仕事の内容を考えますと、例えば窓口であったり、それから、一人で研究するような職であればまた別なんですけれども、やっぱり周りとの協調の中で仕事をしておりますので、なかなか現時点では難しいというふうに考えております。」

との部長答弁でした。さらに、全ての職種で一律にではなくできるところからやってはどうかとの再質問には、

「なかなか今時点で、市役所ですぐ取り入れるといったそういった環境にはないというふうに考えております。」

との答弁でした。

そうこうしているうちに、長野県が10月2日から11時間の勤務間インターバルを試行すると発表しました。年末までの3カ月間で課題を洗い出し、本格導入を目指すとのこと。

また、東京都も10月中旬から11時間の勤務間インターバルを試行するとともに、土日連続勤務を原則禁止します。インターバル制では、最も遅い始業時刻を午前11時とし、午前0時以降の勤務を原則認めないこととしています。繁忙期のインターバル時間は各部署に任せるものの、最低でも8時間は確保するそうです。

他の自治体と早さを競っているわけではありませんが、2年前から言い続けてきたのに先を越されるとは残念です。

地域が笑っている人であふれますように、これからも頑張りたいと思います。

※9月24日追記

山口県が9時間の勤務間インターバル制を取り入れたそうです。

時間外勤務の削減や年次有給休暇の取得によりインターバルを確保するよう庁内に通知したようです。

「勤務間インターバル制度については、例えば、担当の職員の大半が繁忙業務に従事した場合、翌日の勤務体制をどうするのかなど、市民サービスの提供・維持への影響が大きいことから、導入は難しいものと考えております。」

と言っている自治体とは違い、職員の健康維持のため、予算査定やイベント開催などの繁忙期に休息時間を確保するのが目的で、忙しい時でも、しっかりと休みを取ってもらいたいとのこと。

9時間では短いと思いますが、自分もかつては繁忙期に6時間のインターバルで働いていたこともあったので、まずは9時間を浸透させて、それからインタバールを長くしていってほしいです。

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